【楽曲解説】MIDNIGHT DREAM 夢へと堕ちる女性の孤独

LINERNOTES

【LINER NOTES #04】
『MIDNIGHT DREAM ~夢視る私と孤独の果ては~』

皆さま、こんにちは。黒咲鮎花です。 いつも『CODE:AW』の物語、そして『ASPHALTIC WIZARDS』の音楽を応援していただき、本当にありがとうございます!
【LINER NOTES】第4回目は、1st Album『MIRAGE OF DARK LABYRINTH』の4曲目、都市伝説『ユメミサマ(夢見の魔女)』の甘い誘惑と、絶望の淵に立つ女性の心情を描いた『MIDNIGHT DREAM ~夢視る私と孤独の果ては~』の解説をお届けします。


【LYRIC】

今日も同じ朝が来たの
心を炙る日差し
繰り返す怯える日々
幾多の人混みの中で

ある日手に入れた指輪
わたしの夢の中で
視る願望を思いのまま操る禁断の夜

目を閉じて旅立つ 理想の世界が待ってる 私を

優しい貴女と口づけ交わす まどろみ 今堕ちてく
もう傷つく事など無い 甘き夢の中

悲しき虚構と 寂しさを増す現実 今朽ちてく
手に流れる 赤き血潮
これで 終われるの
旅絶つ私 永久に


■ ユメミサマの甘い誘惑と、堕ちてゆく一般の女性たち

『CODE:AW』の物語において、世界中で多発している不可解な白骨化事件。その被害者となったのは、15歳から20代のごく普通の女性たちです。 彼女たちはなぜ、ユメミサマの授ける「魔法のアクセサリー(指輪)」に縋ったのでしょうか?

”目を閉じて旅立つ 理想の世界が待ってる 私を 優しい貴女と口づけ交わす まどろみ 今堕ちてく”

日々の生活に疲れ、孤独や虚無感を抱える女性たち。誰かに必要とされたい、愛されたいという、誰もが持つささやかな願い。しかし、過酷な現実の中でそれに押しつぶされそうになった彼女たちにとって、現実世界こそが「寂しさを増す虚構」であり、指輪がもたらす甘い夢の中こそが「理想の現実」だったのです。

■ 歌詞が描く「破滅への過程」

この曲の歌詞は、ごく普通の女性が少しずつ現実から切り離され、夢幻の世界へ完全に堕ちていく過程をリアルに描いています。
幾多の人混みの中で現実の厳しさに怯えていた彼女が、ある日「指輪」を手にしたことで、理想の夢に溺れていく。そしてやがて、現実世界を完全に拒絶し、自らの手で「赤き血潮」を流して魂を明け渡してしまいます。「これで 終われるの」という最後のフレーズは、彼女たちにとっての究極の救いであり、同時に身の丈に合わない願いをした残酷な代償とも取れます。一般の女性が抱える心の闇。この事が救いなのか、それとも破滅なのか、リスナーの皆様はどう捉えますでしょうか?

■ サウンドの聴きどころ:微睡みへと誘う退廃的なサウンド

前曲『NIGHT STRIKER』の激しい疾走感から一転し、この曲は深く沈み込むようなダウナーなサイバーゴシックサウンドとなっています。当初このような曲は初めての試みであり、私の中で新境地とも言える作風となったことを覚えています。 重く響くベースラインと、夢の中を漂うような浮遊感のあるシンセサイザー。そこに乗る夏色花梨の甘く囁くようなボーカルが、聴く者の意識を少しずつ現実から切り離していきます。 イヤホンで目を閉じて聴いていると、皆様自身もユメミサマの「夢幻結界」に引きずり込まれ、心地よい微睡みから抜け出せなくなるかもしれません。どうぞ、ご注意を……。

■ おわりに

いかがだったでしょうか? 白骨化事件の被害者たちの悲痛な叫びと、残酷な救い。物語の裏側にある彼女たちの「声」を感じていただけたなら幸いです。
次回(#05)は、いよいよアルバムの折り返しにしてタイトル曲。絶望の迷宮を彷徨う者たちの祈りを描いた『MIRAGE OF DARK LABYRINTH ~迷い巡る灰の迷宮~』を解説します。
それでは、次回のライナーノーツもお楽しみに!

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