【LINER NOTES #03】
『NIGHT STRIKER ~常闇の運命の先へ~』
皆さま、こんにちは。黒咲鮎花です。 いつも『CODE:AW』の物語、そして『ASPHALTIC WIZARDS』の音楽を応援していただき、本当にありがとうございます!
【LINER NOTES】第3回目は、1st Album『MIRAGE OF DARK LABYRINTH』から、最も熱く疾走感に溢れる3曲目、『NIGHT STRIKER ~常闇の運命の先へ~』の解説をお届けします。
【LYRIC】
深夜の街走る 鮮やかなネオンが流れて
何処に向かう わたしの気持ち
大事なことや消したい過去も 全て忘れ
加速してゆく 流れる景色
ただ前を見つめながら 進んでく
過ぎ去る現実に 思いを馳せて
踏み込む 闇の先へ
この先に待つ結末は 絶望の闇か
苦しめる過去が 目の前を鈍らせて
加速してゆく 常闇の道
湧き上がるこの想いが 締め付ける
訪れる朝 まぶしい光
救いを求め走る
この先に待つ結末は 希望の光か
消えがたい過去を 振り払い走ってく
決意と恐怖の中駆ける 伝う雫に
覚悟を決めて 切り開けその扉
■ これは誰の歌なのか?
『CODE:AW』の読者なら、この『NIGHT STRIKER』というタイトルを見た瞬間、神蔵がかつて所属していた対AW特殊作戦部隊「AASTナイトストライカー」を思い浮かべるはずです。そして、魔術師殺し(ウィザードキラー)として暗躍した彼の、血塗られた過去や苦悩を歌った曲だと解釈した方が多いのではないでしょうか?
……実は、そうではありません。
この曲は、神蔵の心情を歌ったものではなく、 主人公である女性捜査官、姫宮麻美の心情と覚悟を歌った曲なのです。
■ 歌詞に隠された姫宮の「恐怖と覚悟」
ぜひ、歌詞を姫宮の視点で読み解いてみてください。
”加速してゆく 常闇の道 湧き上がるこの想いが 締め付ける”
憧れの神蔵を追ってUCIA日本支部へ転属した姫宮。しかし、そこは「AW(現代の魔術師)」という人智を超えた存在が跋扈する、想像を絶する闇の世界でした。 「常闇の道」とは、神蔵が背負ってしまった深淵(ナイトストライカー)であり、姫宮自身が足を踏み入れた未知の戦場そのものです。
”決意と恐怖の中駆ける 伝う雫に 覚悟を決めて 切り開けその扉”
このラストのフレーズですが、 姫宮は圧倒的な力を持つAWを前に、何度も恐怖し、足がすくみそうになります。それでも彼女は、大切な仲間を守るため、そして神蔵の心の闇を払うために、涙(伝う雫)を拭い、自ら引き金を引く覚悟を決めます。 タイトル『NIGHT STRIKER』には、「夜の闇(神蔵の過去やAWの脅威)に立ち向かう者=姫宮麻美」という意味が込められているのです。
ただ、歌詞をよく読んで頂くと意外な事に気づくかもしれません……。
■ サウンドの聴きどころ:闇を駆け抜ける疾走感
楽曲としては、ROCK要素が強めの「セイクリッドロック」のど真ん中をいく、圧倒的な疾走感を持つナンバーです。夜の首都高を猛スピードで駆け抜けるようなビートと、夏色花梨の力強くも透明なボーカル。恐怖を振り払いながら前に進もうとする姫宮の鼓動(心拍数)とシンクロするように、テンポを極限まで引き上げています。 制作開始から曲のオケ、歌詞の完成まで僅か2日間で一気に仕上げた作品でもありますが、勢いで制作できた作品というのは個人的に良曲となる事が多く、今後の ASPHALTIC WIZARDS の方向性を決定づけた曲でもあります。ぜひ、物語の中で彼女がひたむきに走る姿を思い浮かべながら、このスピード感に身を委ねてみてください。
■ おわりに
いかがだったでしょうか? 「神蔵の曲だと思って聴いていたのに!」と驚かれた方も多いと思います。ですが、この真実を知った上で聴き直していただくと、全く違った景色が見えてくるはずです。
次回(#04)は、都市伝説『ユメミサマ』の甘い誘惑に堕ちていく者の心理を描いた『MIDNIGHT DREAM ~夢視る私と孤独の果ては~』を解説します。
それでは、次回のライナーノーツもお楽しみに!
